北海道別海町の牧場でヒグマに襲われたとみられる子牛4頭の死骸が見つかり22日、一夜が明けた。ヒグマが牛舎の中にまで入り込んで襲撃する事態は、牧場にとって「想定外」だったという。
異変に気付いたのは、21日午前8時過ぎだった。子牛にミルクを与えるために従業員が牛舎に入ったところ、4頭が死んでいるのを見つけたという。牛舎内にはヒグマのものとみられる足跡があった。
被害を受けた「なかしゅんべつ未来牧場」専務の友貞義照さん(63)によると、同牧場の共和育成センターでは、酪農家から子牛を預かり、最長で22カ月まで育てている。広さは約280ヘクタールで、1千頭余りを飼育している。
子牛は複数のハウス型牛舎で育成。クマの足跡があった牛舎では体重50キログラム前後の子牛12頭を飼育していた。ヒグマに襲われたとみられる子牛は8頭。すでに死んでいた4頭のほか、けがを負い回復が見込めない4頭も殺処分せざるを得なかった。被害を免れた4頭は別の牛舎に避難させた。
新たな子牛の受け入れは当面、停止することになったという。
友貞さんはヒグマの襲撃について「前触れはなかった」と語る。牛舎の入り口には分厚いカーテンもあった。「まさか、施設の中にまで入り込んで牛を襲うとは、想定していなかった」
現場を確認したハンター歴4…