ドローンを使ったヒグマ対策訓練=北海道幌加内町の朱鞠内湖
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 北海道幌加内町の朱鞠内湖で、イトウ釣りをしていた男性がヒグマに襲われ死亡した事故から14日で1年がたった。この日、町と朱鞠内湖淡水漁協、士別署が連携し、ドローンを活用したヒグマ対策の訓練をした。

 男性が襲われたのは、朱鞠内湖北東部の「ナマコ沢」と呼ばれる入り江の岸辺。ボートで送り届けたNPO法人シュマリナイ湖ワールドセンターのスタッフが迎えに行ったところ、男性の胴付き長靴をくわえたヒグマを発見した。

 翌日、ヒグマを探す際に役立ったのがドローンだった。現場に上陸することなく、赤外線センサーを搭載した道所有のドローンで林内のヒグマを発見。猟友会のハンターが仕留めた。

 今回の訓練では、ヒグマが居座ったキャンプ場で、利用客を避難させ、町が契約する旭川市の民間会社にドローンの出動を要請。事故当時と同様、赤外線センサーで上空からヒグマを発見し、ハンターが駆除する一連の流れを確認した。

 湖では今年も5月1日に釣りが解禁され、「幻の巨大魚」を求めて全国から釣り人が訪れている。ヒグマは人の気配を感じるとその場から離れたり、避けたりするといわれるが、射殺されたヒグマは3歳の若いオスで、専門家は「まだ人間への恐れもなく、好奇心で近づいていったのかもしれない」と話していた。

 若いオスに限らずヒグマには個性があり、付きまとったり、近づいてきたりする個体もいる。湖では昨秋、独自のルールを設け、釣り人には決められた場所以外での食事などヒグマを誘引するような行為を禁止し、ヒグマ撃退スプレーの携行、小島などへの単独での渡船を禁止するなど再発防止へ取り組んでいる。

 湖畔で車中泊をして4日目となる埼玉県所沢市の男性(60)は「今日やっとイトウを釣った。1人なので渡船は出来ないが、それでも楽しめる」。ルールについては「北海道での釣りの安全対策はすべて自己責任。クマはどこにでもおり、撃退スプレーや鈴はここに限らず必携なので抵抗はない」と話していた。(奈良山雅俊)

ルール守らない人も 「ヒグマがいる場所で釣り」の意識もって

 朱鞠内湖でのヒグマ対策の取り組みについて、NPO法人シュマリナイ湖ワールドセンターの中野信之代表(49)に聞いた。

 湖周辺では1日の解禁日以降…

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