パリ五輪女子マラソンで1位でゴールしたオランダのシファン・ハッサン(右)と並んで記念撮影をする鈴木優花=柴田悠貴撮影

 パリ・オリンピック(五輪)陸上マラソン女子で6位入賞だった鈴木優花(25)=第一生命グループ=が25日、東京都内で記者会見を開き、五輪の振り返りや今後の展望などを語った。

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 鈴木は高低差の激しいパリのコースで、30キロ付近では先頭集団で争うなど、アフリカ勢ら世界の強豪と堂々と渡り合った。35キロ付近から遅れ始めたが、2時間24分2秒の自己ベストでフィニッシュした。

 帰国後に改めて映像でレースを振り返り、「(自分と)天と地の差がある」と衝撃を受けたのが、金メダルを獲得したシファン・ハッサン(オランダ)の走りだ。

 ハッサンはこの大会で5000メートルと1万メートルでも銅メダルを獲得し、マラソンはラストスパート勝負を制した。「トータルで3本走っている中で、持っている土台や力が底知れないものを感じた」という。

 今後大きな目標として見据えるのは日本記録(2時間18分59秒)の更新や4年後のロサンゼルス五輪。ハッサンの強さを近くで感じたことで、明確な課題として挙げたのが「スピード」だ。

 「(ハッサンの)ラストスパートはトラックレースで培われたものだと思う」としたうえで、「トラックの(タイムの)ベースを上げることが必要。そこを突き詰めていけばペースに余裕が生まれると思う。メダルを狙っていくとしたら、スピードをつけないと勝負できない」とした。

 来年は東京で世界選手権が開催される。「自国開催なので、みなさんに走りをお見せしたい」と鈴木。今季のマラソンについては「走りたい気持ちはある」としつつ、具体的なレースについては「はっきりしていない」と明言を避けた。

 この日の会見は鈴木がアスリート契約を結ぶナイキが主催。五輪では同社の「アルファフライ3エレクトリック」を着用した。(辻隆徳)

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