会談を前に報道陣に向かって手を上げるフランスのマクロン大統領(左から2番目)と中国の習近平国家主席(右から2番目)=2024年5月6日、パリ、井上亮撮影
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 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は6日、訪問先のフランスでマクロン大統領と会談し、今夏開かれるパリ五輪期間中の休戦を呼びかけることで一致した。ロシアの侵攻が続くウクライナ情勢やイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が念頭にあるとみられ、フランス側は「五輪休戦」をきっかけに紛争の解決を探る動きの加速を期待している。

 習氏は5日からフランスを訪問し、6日にパリでマクロン氏と首脳会談を行った。会談後の共同記者会見で習氏は、「いま世界は平穏ではない」と指摘。その上で「責任ある大国として、中国はフランスとともにパリ五輪を契機に大会期間中の全世界での休戦を提案する」と述べた。

 マクロン氏は会談の中で、ウクライナへの侵攻を続けるロシアへの働きかけを中国に求めたとみられる。マクロン氏は記者会見で「五輪休戦が、国際法を尊重した永続的な解決に取り組む機会になる」と発言。習氏がフランスとともにウクライナやガザ情勢など紛争にかかわるすべての関係国などに向けて、五輪休戦を呼びかけることに同意したことに感謝した。

 パリ五輪は7月26日に開幕し、8月11日まで2週間余り続く。同月28日にはパラリンピックの開催も控えており、昨年11月には、国連総会で両大会の開催に合わせて休戦を求める「五輪休戦」が賛成多数で採択されている。(パリ=井上亮、宋光祐)

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