パリの大会組織委員会がまとめた「フードビジョン」の一部
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 パリ五輪開幕まであと100日を切った。東京五輪・パラリンピックでは、ボランティア用の弁当や選手村のビュッフェで食品ロスが発生したことが問題になった。バトンを渡された美食の国・フランスは食品ロスに対してどう取り組むのか。フランスの意気込みを聞いた。

 パリ五輪・パラリンピックの大会組織委員会は2022年、食に対する取り組みをまとめた「フードビジョン」を公表した。期間中、スタッフや選手、観客、メディア用に1300万食を用意するという。

  • 連載「人をつなぐ食品寄付 フランス フードバンクの今」(全4回)の初回はこちら

 フードビジョンによると、「食品ロス量を抑え、未消費の食品は100%再利用する」という目標が掲げられている。

 食品ロスを抑える具体策として、需要を予測する▽ソースやスープには形や大きさの悪い商品を使う▽ケータリング会社に食ロスゼロレシピを使ってもらうなど連携する▽少なめの分量で配るといった「ナッジ」(人々の行動をそっと後押しする手法)を利用するなどがある。

 それでも食べられずに残った食品は、フードバンク団体などに寄付をしたり、飼料や堆肥(たいひ)などにしたりして、100%再利用する。

 フードビジョンでは他にも、「80%はフランス産の食品にする」「ガラスのボトルを使う」など、54の細かな公約を立て、全体を通して、大会を「創造的で持続可能な食」を前面に押し出す機会にしたいとしている。

 大会の環境への取り組みにつ…

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