バッハの多層的な実像が、ふくよかに立ち上がる。フランスの鍵盤奏者バンジャマン・アラールは、美術館の学芸員のような心意気で演奏会やCDを企画する。「曲をどう配置し、どう分類し、どの楽器で聴かせると聴衆を新たな発見へと導けるか。そんな風に『見せ方』を考えるのが好きなんです」

 東京で今月、チェンバロで…

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