現場へ! 運ぶ(5)
北海道の秋空に、イエローに塗られたバスがよく映える。帯広市を中心に路線バス事業を展開する十勝バス(帯広市)が改造した、人と荷物を同時に運べる路線バスだ。
36席あった座席のうち後部の17席を取り払ってフラットな構造に。後部には1.5トンの荷物を積める。中扉の右側に、荷物を出し入れする大きな開口部も設けた。2台の改造に1400万円かけた。
「人口減少で、バス利用者も働き手も減ってゆく。あらゆる手を打たないといけない」と取締役の長沢敏彦さん(62)。実証運行を重ね、2025年度には佐川急便の荷物を運ぶ「貨客混載」バスの本格運行を目指す。
- 連載「現場へ!」
利用客減少、路線バス会社の悩み
「バスで荷物も一緒に運べないか」。きっかけは、佐川急便からの相談だった。
自動車の普及や人口減少で、赤字路線を抱えるのは地方のバス会社共通の悩みだ。1969年に1600万人だった十勝バスの輸送人員も、最近は300万人前後で推移しているが、人口減少地域にも路線バス網は残したい。
一方、ネット通販が発達し…