東京都内の大学に進む地方出身の学生が減っている。

 全国の2割近くの大学が都内に集まるが、近年の家賃や授業料の高騰が背景にあるとみられる。アルバイトで生活費を稼ぎ、奨学金のために成績も落とせない。

 「失敗できない毎日」と不安が漏れる。

アルバイトで生活費を稼ぐ

 「成績が落ちたらどうしよう、家計はどうなるんだろうと不安に襲われます」

 群馬県出身で、都内で一人暮らしをする女子学生(19)はそう話す。

写真・図版
スマートフォンに映るのは、学生が日本学生支援機構から借りている奨学金の契約書。4年間で307万円だ=2024年10月9日、東京都内、本間ほのみ撮影

 生活費は、週3日のカフェでのアルバイトと、週1日から勤められるNPOの有給インターンで稼ぐ。月に計5万円弱の収入になる。

 母子家庭で、家計は裕福とはいえない。進学はあきらめようかと考えたが、母が背中を押してくれた。

 高校の国語教師をめざし、国公立大を狙ったが成績が届かず、県内の私大にはない希望の学部があった日本女子大(東京都)へ昨年進んだ。

返済は600万円、諦めたことは

 家からの仕送りはなく、国の…

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