バイデン米大統領は15日夜、ホワイトハウスでの4年間を締めくくる退任演説を行った。「民主主義の脅威」だと主張してきたトランプ次期大統領の就任を目前に控え、「民主主義」という米国の建国以来の価値観を守る必要性に何度も言及した。
バイデン氏がまず最初に話題にしたのは、自由の女神だった。「1人の人間によってではなく、米国のように世界中のあらゆる背景を持つ多くの人々によって建てられた」と振り返り、「荒天の猛威や時々の試練」に耐える女神に米国の現状を重ね、その理念や価値観がいま試されていると強調した。
「権力分立によって、歴史上どの国よりも長い250年近くにわたって民主主義を維持してきた」とも指摘。トランプ氏に直接言及することはなかったものの、トランプ氏の刑事事件をめぐって連邦最高裁が大統領の公的行為について刑事免責を部分的に認めた判断を念頭に、「大統領の権限は絶対的なものでもない。権力と富の集中には別の危険性がある」と訴えた。
さらに、「大きな懸念」とし…