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2024年11月22日、米ホワイトハウスで演説をするバイデン大統領=ロイター

 バイデン米大統領(82)が退任を目前にして、次男ハンター氏(54)に恩赦を与えたことが波紋を呼んでいる。特権を使って身内を優遇する振る舞いは、トランプ次期大統領の就任を前に悪い先例をつくる可能性もある。なぜバイデン氏は、恩赦の判断に踏み切ったのか。

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 合衆国憲法は、刑を免除する恩赦の権限を大統領に与えている。第1次トランプ政権は144件の恩赦を与え、バイデン政権もこれで25件となった。

 司法省が対象者を選んで助言する仕組みが一般的だが、大統領の独断で選ぶこともできる。退任間際に、大統領が親近者に恩赦を与えた例も珍しくない。

 だが今回の恩赦が物議を醸したのは、バイデン氏が事前に「(次男の恩赦は)しない」と明言しながら、その言葉に反する行動に出たためだ。

政治家としての公約か、父親としての思いか

 前言を撤回してまで恩赦を決…

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