日米韓首脳会談で発言するバイデン米大統領=2024年11月15日、ペルー・リマ、代表撮影

 バイデン米大統領が主導して連携を進め、レガシー(遺産)の一つとしてこだわった日米韓の安全保障協力。日米韓首脳は訪問先のペルーで行われた15日の会談で、3カ国連携の「制度化」を目指し、協力の調整にあたる「日米韓調整事務局」の設置を打ち出した。だが、多国間協力の枠組みに否定的なトランプ次期米大統領が就任すれば、日米韓の枠組みも実際にどこまで機能を維持できるか不透明感は強い。

「半永久的なパートナーシップに」バイデン氏、成果強調

 「私の最後の三者会談となるかもしれないが、これはおそらく永久的なパートナーシップになると思う」。約40分間の会談の冒頭、バイデン氏はそう語り、日米韓の連携を自身の外交成果として強調した。事務局設置は、今後も日米韓の協力を後退させないための制度的な「歯止め」だ。共同声明では設置目的を「インド太平洋を安定し、安全な地域にするための我々の目標と行動をさらに整合させる」と記した。

 背景には、トランプ氏復権へのバイデン氏の強い危機感がある。トランプ氏は大統領当時、日米韓の安保協力に無関心であり、日韓関係が安倍晋三首相(当時)、韓国の文在寅大統領(同)のもとで険悪化するのを放置し続けた。さらに現在のインド太平洋地域では、中国の軍事的台頭や北朝鮮による核・ミサイル開発に加え、北朝鮮兵のロシア派遣などロ朝の軍事協力といった深刻な問題が山積みだ。

韓国、北朝鮮兵のロシア派遣に強い危機感

 実際、共同声明では、軍事協…

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