写真・図版
本棚のラインアップが独特だ。「死」を軸に小説や文化論、ルポルタージュなど幅広い。「最近読んで面白かったのは『死因の人類史』。定住が始まった新石器時代は感染症死が激増し人類史上最も高い死亡率だったそうです」=川崎市、西岡臣撮影
  • 写真・図版

 「死」と「デジタル」。この二つのテーマを掛け合わせて発信するノンフィクションライターの古田雄介さん(47)は、亡くなった人のスマホが開けなかったり、動画配信サービス料が死後も請求されたりなど、遺族が戸惑う「デジタル遺品」の専門家でもあります。昨年出版した「バズる『死にたい』」を始め、ネット空間に残る「故人たちのサイト」を丹念に追って記事を書き続けるのは、なぜなのか。話を聞きました。

 ――死はいつの時代、どんな社会でも忌み嫌われがちで、インターネットの世の中でも変わりません。

 私にとって、死は純粋な好奇心の対象です。隠されるから、見たいし、知りたいし、触れて感じたい。不謹慎と言われたらその通りですが、受け手としてしっかり筋を通し、誠実に向き合いたいと思っています。

 日航機墜落事故が起きた小学…

共有