モーター大手のニデック(京都市)は27日、工作機械大手の牧野フライス製作所(東京都)を完全子会社にするための株式公開買い付け(TOB)を行うと発表した。事前の協議はしておらず、「同意なき買収」の提案となる。牧野フライスは「現時点で話せることはない」としている。
買い付け価格は1株あたり1万1千円で、26日の終値7750円に対して41・94%を上乗せした。牧野フライス側の検討期間を十分に確保する目的で、TOBの期間は25年4月4日から5月21日までを想定している。買い付けの下限は自己株式を除く議決権の過半数とし、これを下回る場合は買い付けはしない。
牧野フライスの時価総額は約1900億円。自己株式を除く全株を取得する場合の買収総額は、約2600億円になる見込み。
ニデックはM&A(企業合併・買収)を重ねて規模を拡大してきた企業で、近年は工作機械事業を新しい事業の柱に加えている。昨年にはTAKISAWA(岡山市)に同意なき買収を提案し、同社から同意を引き出して傘下に加えていた。