ナチスがかつて実行した「生命の泉(レーベンスボルン)計画」という計画がある。ユダヤ人らへの大量虐殺「ホロコースト」と両輪をなすものだが、世界でもあまり知られていない。この「生命の泉計画」とは、どんなものだったのか。

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 ドイツジェンダー史が専門で、「戦場の性」という監訳本がある姫岡とし子・東大名誉教授によると、ナチスは金髪で青い目の北欧系の血筋をドイツ人と同等に「望ましい」と位置づけ、ドイツ兵との間の子どもを作ることを奨励していた。

 生まれた子どもは選別され、「ドイツ化」するために、見た目が「優良」だと判断されると親と引き離されてドイツ国内や占領地域に作られた収容施設「生命の泉」で育てられた。誘拐された子どももいた。

 「生命の泉」はドイツやポー…

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