デザイナーの交代劇が続き、ファッション界の世代交代の兆しが顕著だった2024年だった。パリ・ファッションウィークの「看板」だったブランド創業者や、伝説的ブランドの商業化を大きく成功させた人物が退任。一方で、トップブランドに起用された若手もいれば、「復帰」した大物も。話題の発表が相次いだ。
ドリスの後任発表、ガリアーノ退任 めまぐるしいデザイナー交代劇
大きな話題を呼んだのは、ドリス・ヴァン・ノッテンの退任。1986年にブランドを創業し、色彩豊かな生地や端正なテーラードで多くのファッショニスタから愛されてきた。後任には、これまで同ブランドでレディースラインに携わってきたジュリアン・クロスナーが内部昇格し、来年3月にデビューショーを開催する予定だ。
今月にはメゾン・マルジェラのジョン・ガリアーノが退くとの発表もあった。2011年にカフェで他の客に対する差別発言をしたことが問題となりクリスチャン・ディオールでの職を追われたガリアーノ。14年にマルジェラを手がけるようになると、広く一般的な層にブランドを周知させる大躍進に貢献した。24年春夏のオートクチュールコレクションで見せたように、手の込んだクリエーションを、ビジネス的にも成功させるのが強みで、今後の動向が注目される。
故カール・ラガーフェルドの後任だったヴィルジニー・ヴィアールが去って以来、空席になっていたシャネルでも、今月に後任が発表された。直前までボッテガ・ヴェネタを率いていたマチュー・ブレイジーだ。
ブレイジーは1984年生まれ。ラフ・シモンズやメゾン・マルジェラ、セリーヌで実績を積んだ後、21年からボッテガ・ヴェネタのクリエーティブディレクターに就任。繊細なレザーの編み込みや色彩感覚豊かな色の組み合わせなどで注目された。職人技を駆使した芸術品のような服やバッグ、ヘッドピースも得意だ。トップブランドでの手腕の発揮に期待が集まっており、新天地での結果次第では業界全体の世代交代の象徴になり得る。
セリーヌのエディ・スリマンやフェンディのキム・ジョーンズといった大物デザイナーの退任も相次いだ。
「静かなぜいたく」継続 新生ヴァレンティノは
トレンドでの大きな流れは昨…