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清水恵子・旭川医大教授は、証拠の画像を示しながら袴田巌さんの再審を振り返った=2024年9月27日午後7時3分、札幌市手稲区、新谷千布美撮影
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 犯罪や死因の究明に欠かせない「法医学」を広く知ってもらうための講演会が27日夜、札幌市内であった。前日に無罪判決が出た袴田巌さんの再審公判で、弁護側の証人を務めた旭川医大の清水恵子教授が登壇。「科学的な説明を丁寧に伝えた」と振り返った。

 袴田さんの事件の公判では、1年以上みそ漬けになった後に見つかった「5点の衣類」が有罪の有力な証拠とされた。衣類には赤みのある血痕が残り、犯行時の着衣とされた。

 この「赤み」の不自然さを立証したのが清水教授だった。弁護側の依頼を受け、同大の奥田勝博助教らと実験をした。みその性質により血液のヘモグロビンは変化し、短期間で黒褐色になり、赤みは残らないことを示した。この鑑定が柱となって再審が始まり、無罪判決につながった。

 再審で検察側は「赤みが残る…

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