ドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の集会で演説するクルパラ共同党首=2025年2月21日、独東部レーバウ、寺西和男撮影

 23日に投開票されるドイツ総選挙で、排外主義的な主張で「右翼過激派」の嫌疑も受ける野党「ドイツのための選択肢(AfD)」が初めて第2党に躍進する可能性が高まっている。ドイツでは、ナチスの歴史をふまえ右翼台頭への警戒が強いが、AfDは移民問題や経済低迷に対する不満の受け皿として伸長する。総選挙は歴史的な岐路として注目される。

 「平和の政党はAfDだけだ。我々こそが米国やロシアの仲間と一緒に欧州に平和を取り戻せる」。独東部レーバウで21日夜に開かれたAfDの集会で、クルパラ共同党首は約1千人の支持者を前に、トランプ米大統領がロシアのプーチン大統領との間で進めようとしているウクライナの和平交渉への支持を強調した。

 トランプ米政権に通じる自国第一主義的な主張を掲げるAfDは、ロシアの侵攻開始から3年を迎えるウクライナへの軍事支援中止を求め、その資金を自国民のために使うと主張する。21日の集会に来た工場勤務のイェンスさん(58)は「国民のことを気にかけてくれるのはAfDだけだ」と話した。不法移民の「即時強制送還」などの移民政策に期待する声も目立った。

 2013年に結党したAfD…

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