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ドイツの総選挙の投票が23日午後6時(日本時間24日午前2時)に締め切られた。独公共放送ARDの出口調査によると、反移民・難民を訴える右翼「ドイツのための選択肢」(AfD)が4年前の前回より得票率をほぼ倍増させ、初めて第2党に躍進する勢いだ。メルケル前首相が所属した最大野党会派の中道右派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)が第1党となり、政権復帰する見通しだ。相次ぐ外国出身者による犯罪や経済低迷への不満の高まりを受け、欧州最大の経済国ドイツでも右傾化の動きが鮮明になった。
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欧州ではイタリアやフランスなどで右派勢力が台頭する中、ナチスの歴史を抱えて右翼への警戒が強いドイツは、欧州連合(EU)主要国の「最後の砦(とりで)」とみられてきた。米国でも移民に厳しい政策をとるトランプ政権が誕生するなど、欧米の民主主義国で排外主義的な傾向が強まっている。
CDU・CSUの得票率は29%と、メルケル氏が退任した4年前の前回から5ポイントほど増加する見通し。与党側は、ショルツ首相率いる中道左派「社会民主党(SPD)」が16%、環境政党「緑の党」は13.5%と前回よりもそれぞれ10ポイント、1ポイントほど減らす見通し。ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格の高騰などを受け、ドイツは昨年まで2年連続でマイナス成長で経済対策の遅れなどで批判を受けた。
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第1党になる見通しのCDU…