
トランプ米政権は5日、カナダとメキシコに前日発動したばかりの25%の関税措置について、1カ月という期限付きながらも、さっそく自動車という例外を設けた。最も大きい打撃を受けるとみられていた業界からの哀願に応えた形を演出したが、実際には政権が無視できない二つの事情があった。
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ホワイトハウスのレビット報道官は5日、あくまで米ゼネラル・モーターズ(GM)など自動車大手3社(ビッグスリー)からの要請を受けた措置だと強調した。
「彼らが電話(協議)を求め、彼らから要請があり、大統領は喜んでそうする」
両国に関税が発動された4日、ラトニック商務長官がまず、米テレビに「救済策」を検討していると示唆していた。5日、レビット氏が正式に表明した。トランプ大統領はこの件については一切発信していない。強硬策をいきなり緩め、「腰砕け」ととられるのを嫌った可能性がある。
それでもトランプ政権が、25%関税の例外を自動車に認めざるを得なかったのはなぜか。
一つは、今回の関税が米国メ…