トランプ前米大統領の免責をめぐる弁論が開かれた連邦最高裁判所の前で、「法の上に立つ者はいない」と書かれた紙を掲げる人=2024年4月25日、ワシントン、高野遼撮影

コラム「トランプ法廷」④

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 トランプ前米大統領は刑事裁判が始まってから連日、ニューヨークの裁判所に出廷している。被告として出廷義務があるためだ。しかし25日、トランプ氏の関心の主眼は、不倫の「口止め料」をめぐって目の前で行われている証人尋問よりも、約300キロ離れたワシントンの法廷の動向にあったのかもしれない。連邦最高裁で、トランプ氏の「刑事免責」をめぐる弁論があったのだ。

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 トランプ氏は四つの事件で起訴され、中でも重大とされるのが、2020年の大統領選を不正に覆そうとしたとされる事件だ。元々は3月4日から、ワシントンの連邦地裁で公判が始まる予定だった。

 しかし、「大統領として行った行為は絶対的に刑事免責される」というトランプ氏の主張を検討するため、この公判の準備は中断した。トランプ氏の主張をめぐる争いは連邦最高裁まで続き、25日の弁論に至った。この弁論とニューヨークでの裁判が同じ日に重なったため、トランプ氏は「最高裁に出廷したい」と申し立てたが、ニューヨークの裁判所は「最高裁には被告の出廷義務がない」として認めなかった。

限定的な刑事免責が「あり得る」と示唆する判事たち

 法廷にカメラが入らないのは…

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