コラム「トランプ法廷」④
- 【前回③を読む】かつて陪審員だった記者が見たトランプ法廷 予断のない評価は可能か
トランプ前米大統領は刑事裁判が始まってから連日、ニューヨークの裁判所に出廷している。被告として出廷義務があるためだ。しかし25日、トランプ氏の関心の主眼は、不倫の「口止め料」をめぐって目の前で行われている証人尋問よりも、約300キロ離れたワシントンの法廷の動向にあったのかもしれない。連邦最高裁で、トランプ氏の「刑事免責」をめぐる弁論があったのだ。
- 【イラストでわかる】四つのトランプ裁判 どんな事件で起訴された?
トランプ氏は四つの事件で起訴され、中でも重大とされるのが、2020年の大統領選を不正に覆そうとしたとされる事件だ。元々は3月4日から、ワシントンの連邦地裁で公判が始まる予定だった。
しかし、「大統領として行った行為は絶対的に刑事免責される」というトランプ氏の主張を検討するため、この公判の準備は中断した。トランプ氏の主張をめぐる争いは連邦最高裁まで続き、25日の弁論に至った。この弁論とニューヨークでの裁判が同じ日に重なったため、トランプ氏は「最高裁に出廷したい」と申し立てたが、ニューヨークの裁判所は「最高裁には被告の出廷義務がない」として認めなかった。
限定的な刑事免責が「あり得る」と示唆する判事たち
法廷にカメラが入らないのは…