2019年6月29日、大阪で開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に合わせて会談した米国のトランプ大統領(左、当時)と中国の習近平国家主席=ロイター

トーマス・フリードマン

 昨年12月、米国のトランプ次期大統領が中国の習近平(シーチンピン)国家主席を就任式に招待した(と報じられた)際、多くの人が驚きや笑いをもって受け止めた。だが、そのアイデアは実は良いものだった。最近、中国出張から戻ったばかりの私は、現在の米中関係を描くのならば、「2頭の象がストローを通して互いを見つめ合っているような状態」になると思っている。

 これは良いことではない。なぜなら、米中両国には話し合うべき多くの課題があるからだ。

 今、世界は三つの大きな課題に直面している。暴走する人工知能(AI)、気候変動、国家の崩壊による混乱だ。米国と中国は世界のAI大国だ。また、二酸化炭素排出国のトップ2であり、世界最大の海軍力も持つ。米中は、AIの管理や気候変動、失敗国家から生じる混乱に対処できる二大国だ。

 だからこそ、1972年に当時のニクソン米大統領が中国を訪問し、毛沢東氏と会談した際につくられた「上海コミュニケ」をアップデートする必要がある。しかし、あらゆるレベルで両国の距離が離れていっている。

 中国の親たちは、子どもを米…

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