資生堂の社員(右)に相談し、「自分に合ったメイクのカラーが分かった」と話した参加者
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 「洗顔の泡ひとつで汚れを一つ吸着します。ですから、泡が多いほどいいのです」。6月23日の午前中、東京都港区のオフィスビルの一室で、約20人の参加者たちが専門家からメイクのアドバイスを受ける会合が開催されていた。主催は化粧品大手の資生堂だ。

 日曜日だったこの日、ほかのオフィスやエレベーターも含めて、ビルの中には資生堂のスタッフと参加者以外はいなかった。イベント名は「トランスジェンダーメイクアップ講座」。対象は、出生時の性別が男性と割り当てられたが性自認が女性である「トランスジェンダー女性」の人々だった。会合の冒頭では写真撮影の制限やプライバシーの厳守といったルールが説明された。

「完全に開かれた形での開催」が難しい理由は…

 化粧水と乳液は、顔の中心か…

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