今年度から本格導入された学習者用デジタル教科書。使う利点と課題は、どこにあるのか。デジタル教科書に関する国の調査にかかわり、韓国などの視察もした放送大学学園次世代教育研究開発センター長の中川一史さんに聞きました。
- 1人2台端末、板書なしも デジタル教科書本格導入で変わる授業
デジタル教科書にできて、紙の教科書でできないことは
――デジタル教科書にできて、紙の教科書ではできない点は?
ICT(情報通信技術)の特長が発揮できることです。例えば、児童生徒に1人1台配られた画面上で教科書の文字や図表を拡大したり、英語の音声を何度も繰り返し聞いたり。友達が線を引いたりまとめたりした内容を、端末を通じて共有し、考えの違いがわかる点も学習の手助けになる。
また、特別な配慮を必要としている子や、特別な配慮とまではいわなくても児童生徒一人ひとりの実態に応じて、背景色の変更やルビ振り、音声読み上げ機能などを調整し、自分に合った教科書をカスタマイズできることが非常に大きいです。付属のデジタル教材と連携させて、学びを深められるメリットもあります。
――効果は見えてきています…