「ふる里の言葉」を開くと、注記や付記が上段に加えられている=2024年5月22日、今井邦彦撮影
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 1970年から2年半、奈良県の地元紙に掲載された方言の連載「ふる里の言葉」が、半世紀の時を経て本にまとめられた。1千ページ以上で7590円(税込み)と、B6判ソフトカバーの本としては破格の厚さと価格だが、研究者の「貴重な記録を世に残したい」という思いが結実した。

 「ふる里の言葉」は、大和タイムス(現在の奈良新聞)に70年4月から72年9月まで623回連載された。

 奈良県内各地の方言に関するコラムで、国語学者の鈴木一男・奈良教育大教授(当時、92年没)と、民俗学者の岸田定雄氏(96年没)を中心に、国語学、民俗学を研究する中学や高校の教師らが執筆した。

 それから半世紀。このコラムに注目したのが、奈良県立大学ユーラシア研究センターの客員研究員らによる「近世奈良を語る会」だ。

 同センターの中島敬介・副セ…

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