北アフリカ・チュニジアの選挙管理当局は7日、6日にあった大統領選で現職のサイード大統領(66)が再選されたと発表した。得票率は90・69%、投票率は28・8%だった。国営通信が伝えた。

 高い得票率とは裏腹に、投票率は初の本格的な自由選挙となった2014年大統領選以降、最低を記録した。サイード氏が権威主義的な姿勢を強める中、国民の政治への期待や関心が薄れていることが浮き彫りになった形だ。

 サイード氏は19年の大統領選で初当選。大統領に権限を集中させる憲法改正に踏み切ったほか、有力対抗馬を収監するなど、批判勢力への弾圧も行っている。

 チュニジアは中東の民主化運動「アラブの春」の起点となり、11年に独裁政権を打倒。民主的な憲法を制定し「民主化の優等生」と評されたこともあった。(時事)

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