わき水を求める人たちが集う「大渡の水くみ場」=2024年4月16日、山梨県道志村、池田拓哉撮影
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 横浜、湘南、八王子。首都圏ナンバーの車が続々とやって来る。平日の昼間、国道413号沿いの3台分の駐車場はすぐにいっぱいになった。ドライバーのお目当ては、わき水だ。

 神奈川県と接する山梨県道志村にある「大渡(おわた)の水くみ場」。二つの水道管から水がドバドバと流れ続けている。

 4月中旬、相模原市の桜岡盛一さん(72)は近くの道志川で釣りを楽しんだ帰りに立ち寄った。10年以上通っているという。「ここの水を使えばウイスキーも米もランクが上がるんだよ」。いくつものタンクに水を詰め込み、笑顔で100リットルを持ち帰った。

かつては往復1時間 水源なき集落の悲願

 わき水の源泉は約1キロ離れ…

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