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2024年6月26日、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)の外観=AP

 国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)の検察局は23日、イスラム主義勢力タリバンの最高指導者アクンザダ幹部ら2人について、人道に対する罪で逮捕状を請求したと発表した。タリバンが実権を握るアフガニスタンでの女性や性的少数者への抑圧に刑事責任があるとした。

 発表によると、アクンザダ氏らは2021年8月以降、アフガニスタン全土の女性や少女、性的少数者らに性別を理由に迫害を行ったという。目撃証言や法医学報告書などの証拠から、移動や表現、教育の自由などの基本的な権利が剝奪(はくだつ)されていることが裏付けられたという。

 タリバンは2021年8月に復権後、中学生以上の女性の教育や就労、権利を次々に制限している。

 ICCのカーン主任検察官は声明で、「アフガニスタンの女性や少女がタリバンによる前例のない非道な迫害に直面している。法廷での説明責任に値する」と説明し、タリバンのほかの幹部についても逮捕状の請求を行うとした。今後、ICCの予審裁判部が逮捕状の発行について審理するとみられる。

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