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四回裏ソフトバンク無死、本塁打を放ち生還した今宮をベンチで迎える小久保監督(左)=日吉健吾撮影
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 (16日、プロ野球クライマックスシリーズ最終ステージ 福岡ソフトバンクホークス5―2北海道日本ハムファイターズ)

 試合前、ソフトバンクの村上隆行打撃コーチが明かした。「打線は2パターンを考えた」

 右足首を痛め、約1カ月間、戦列を離れた近藤健介は本調子ではない。ぎりぎりまで状態を見極め、出した結論は「近藤あり」。レギュラーシーズンでは6月以降、長くけがで不在だった柳田悠岐は1番に据えた。役者がそろった打線が見事に機能した。

 二回だ。1死から近藤が中越え二塁打で好機をつくった。今宮健太の左前安打で1死一、三塁とし、続く正木智也の左前適時打で鮮やかに先制した。

 合言葉は「攻める」だ。日本ハムの伊藤大海には今季1勝4敗。150㌔を超える直球で押し込まれる場面も目立った。村上コーチは「ギアを上げてくると真っすぐが強くなる。その分、甘いゾーンにくる」。好球必打。狙いを徹底していた。

 同点に追いつかれた直後の三回2死一塁からは、山川穂高の中越え適時二塁打で勝ち越し。「甘い球をしっかり捉えることができた」。初球。真ん中低めのツーシームを仕留めた。四回は今宮が左翼テラス席へ、五回には栗原陵矢が右翼席へとソロを運んだ。伊藤に計10安打を浴びせ、六回途中4失点で降板させた。

 初戦を制した小久保裕紀監督は「めちゃくちゃ大きい。効果的な本塁打も出て、いいスタートが切れた」とうなずく。

 次戦以降も近藤の状態次第で打線は変わる見込みだ。3安打の今宮は言う。「今日は追い込まれたら負け。だから積極的にいった。試合ごとに各自が決めごとをしている」。短期決戦は割り切りが大事。大舞台の経験値で勝るソフトバンクの優位は揺るぎそうにない。(鷹見正之)

 川瀬(ソ) 三回に好守備で併殺を奪い、勝ち越しを許さず。「自分自身もしびれた。帰ってから自分のプレーを何百回も見ようと思う」

新庄ハム、奇策実らず

 日本ハムの新庄監督の「奇策」は実らなかった。今季最多勝の伊藤を第1Sで温存し、この日にぶつけた。しかし、チームの期待を背負ったエース右腕は六回途中4失点でノックアウト。「ボールがもう2個ぐらい低ければ」と新庄監督。「一番悔しいのは本人。次の登板もある。ああだこうだ言いません」と責めることはなく、前を向いた。

 伊藤(日) ソフトバンクに10安打を浴び4失点。「やっぱり柳田さんが戻ってくると打線に厚みが出る。神経を使いました。粘りきれず悔しいです」

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