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中部空港=2024年12月20日、愛知県常滑市、朝日新聞社機から、長島一浩撮影
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 開港から20年を迎えた中部空港(セントレア、愛知県常滑市)。この地域の空の玄関口として根付いているが、開港時に思い描かれた姿には届いていない。現状や課題について、中部空港会社の犬塚力社長と地域経済に詳しい中京大学の内田俊宏客員教授に聞いた。

「訪日客に選ばれる地域に」中部空港会社・犬塚力社長

 ――2019年に社長に就任した直後にコロナ禍に直面しました。

 「ジェットコースター、いやフリーフォールに乗ったようでした。(国際線の便数が20年4月はゼロになり)いきなりどんと落ち、怖かった。長期戦を覚悟し、投資計画などはストップ。無駄を徹底的に省き、筋肉質な経営態勢にしていくようにしました」

 ――いまも国際線の便数はコロナ禍前に戻っていません。対策は。

 「やはりカギになるのが増えているインバウンド(訪日外国人客)で、選ばれる地域になることが最優先です。便数が増えればいま、東京や大阪から海外に行っている日本のお客様も中部空港からその便に乗って出国するようになります。成長のスパイラルに戻していくきっかけはインバウンドです」

 ――この20年で中部空港は…

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