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チャドのアドレにある難民キャンプ郊外の支援物資配布場所で、ダルフール地域から到着したばかりの難民=2024年7月、ニューヨーク・タイムズ

Disaster by the Numbers: The Crisis in Sudan

 スーダンで起きている内戦では、これまでに15万人が死亡し、1100万人以上が家を追われたと推定されている。これを踏まえて、米国政府は、内戦の主な対立勢力である「即応支援部隊(RSF)」として知られるアラブ系民兵組織によるジェノサイド(集団殺害)が行われたと公表した。

 外国や多数の武装集団を巻き込んだこの戦争は、いまやスーダンの国境を越えて広がる恐れが出てきている。21カ月にわたる戦闘の後、数千人が民族浄化作戦によって命を落とし、数えきれないほどの女性や少女が性暴力の被害に遭い、2020年以降、世界で初めて公式に宣言された飢饉(ききん)によって数百万人が飢えに苦しんでいる。

 国連は、スーダンが現在、世界最大の避難民危機を抱えていると発表した。国連の国際移住機関(IOM)のエイミー・ポープ事務局長は、この事態を「生き地獄」と表現した。

内戦によって、スーダンは世界最大の避難民危機に直面しており、膨大な数の人々が家を追われて周辺国の難民キャンプに殺到しています。子どもたちにも深刻な被害が広がっているようすをNYTが詳しく報じています。

 スーダン軍の司令官であるアブデルファタハ・ブルハン将軍と、RSFの司令官であるモハメド・ハムダン・ダガロ中将は、かつて同盟関係にあった。21年、彼らは共謀して軍事クーデターを起こした。しかし、その後、彼らは軍を統合できずに分裂した。

 23年4月、彼らは戦争状態に入り、首都ハルツームでは銃撃戦が繰り広げられた。

 RSFは、20年前にスーダン西部のダルフールで数十万人の死者を出した武装集団ジャンジャウィードの残党で構成されている。これらの殺害事件により、スーダンの独裁者オマル・バシール大統領に対する国際刑事裁判所でのジェノサイド容疑につながり、同大統領は2019年に失脚した。

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