「風が吹くとき」への思いと影響について語る川内有緒さん=2025年3月1日、東京都三鷹市、平山亜理撮影

 【東京】三鷹市の市芸術文化センターで1日、「三鷹の森アニメフェスタ2025」が始まった。初日は、三鷹の森ジブリ美術館が選んだ世界のアニメ11作品を一挙上映。市民約340人が鑑賞し、各作品の世界観に浸った。

 11作品中、唯一の長編は1986年にイギリスで作られた「風が吹くとき」。新たに核戦争が起き、核爆弾が落ちてくると聞いた片田舎の平凡な夫婦が、「そのとき」を迎えた……。

 「スノーマン」で知られる絵本作家レイモンド・ブリッグズの作品を、原爆で親戚を亡くした日系米国人ジミー・T・ムラカミがアニメーション化し、当時、大きな反響を呼んだ。

 この映画を中学生の時に見て影響を受けたというノンフィクション作家の川内有緒さんは上映後のトークショーで、「メッセージは強烈。この映画をきっかけに色んなことを考え始めた」などと語った。核と同じように放射性物質の影響を受けた福島第一原発事故の地元、双葉町と大熊町の食と暮らしをテーマに、自身が手がけている記録映画などの情報発信についても披露した。

 2日は「インディーズアニメフェスタ」と題して、各地からの応募109作品から選ばれた作品を上映。グランプリと各賞を選ぶ。

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