103年前にドイツで作られた自転車が、堺市の「シマノ自転車博物館」に寄贈された。運転者が両足でペダルを回転させて走る現代の自転車と異なる構造で、日本国内では極めて珍しい貴重な産業遺産だ。
この自転車の名前は「ジェイ・ラッド」。博物館によると、1921(大正10)年にドイツ・シュツットガルトのヘスペルス・ワークス社で製造された。
前輪は後輪よりも小さい。運転者は上体を後方にやや傾けた姿勢で乗り、シーソーのようにペダルを踏む。ペダルが付いたアームからワイヤを通じて後輪に力が伝わると、前に進む。
前方のギアからチェーンを通じて後方のギアに力を伝える現代の自転車の仕組みとは、まったく違う。寄贈されたジェイ・ラッドのペダルは、2本のアームの両側に三つずつあり、踏むペダルの位置を変えることで変速ギアの役割をするという。
考案者は、ツェッペリン飛行…