サーファーに人気の湘南(神奈川県)の海で、ハマグリの密漁が相次いでいる。地元がブランドとして育ててきた「湘南はまぐり」を守ろうと、レジャー客でにぎわう夏休みに合わせ、漁業者と海上保安庁が連携して取り締まりを強化している。
ある土曜日の昼ごろ、サーフィンを楽しむ人たちであふれかえった藤沢市の辻堂海岸。サーファーの男性が浜から上がった。手にはハマグリが二つ。バッグに入れようとしたところを見つけた、私服で巡回中の湘南海上保安署員が職務質問した。男性は自分で採ったことを認め、「ばれなければいいと思った」と話したという。
ハマグリの採取は密漁にあたり、同保安署は今月中にも、漁業法違反(漁業権の侵害)の疑いで書類送検する予定。密漁には100万円以下の罰金などが科される。
江の島につづく浅瀬が育む
「せっかく育てたのに」。密漁の横行に、こうこぼすのは湘南漁業協同組合藤沢支所の運営委員長、葉山一郎さん(80)だ。
江の島につづく浅瀬で、粒の…