小学生環境活動家の沖田美怜さん。持っているのは、寄付集めのために作ったオリジナルのタンブラーとカトラリーセット=本人提供
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2030 SDGsで変える

 地球から動植物が次々に姿を消し、国連は100万種が絶滅の危機にあると警告しています。SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる海や陸の生態系の保全は、他の目標の前提にもなるものです。小学生や海外の16歳の視点を借りて、課題を考えます。(編集委員・北郷美由紀)

環境問題 一気に自分ごとに

 東京都に住む沖田美怜さん(10)は、「小学生環境活動家」の顔を持つ。

 きっかけは2年前。夕食に食べていたサンマの塩焼きの中に、極小の赤い粒を見つけた。「プラスチック?」。通っているインターナショナルスクールで、海に流出して残るマイクロプラスチックの問題は習っていた。「これがそうなのかもしれない」。環境汚染の問題が一気に自分ごとになった。

 「大人になる頃は地球の環境はもっととんでもない状況になってしまう。小学生も今から何かするべきだ!」。友人を誘って環境保護に取り組む「Dream Builders(ドリームビルダーズ)」というチームを昨年8月に結成した。

 11人で話し合い、寄付を集めることに。竹繊維を使ったフォークやスプーン、タンブラーに自分でデザインしたチームのロゴをつけて学校の行事などで販売、ユニセフ(国連児童基金)に11万円超を寄付した。

 今年4月には「アースデー東京」の実行委員会に参加、尊敬するスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが主人公の映画の上映会を実現した。ほかにも都内のプラスチック加工会社に協力してもらい、ペットボトルのキャップからアクセサリーを作っている。

 今は寄付以外の活動を模索中で、社会起業家や環境NGOなどを訪ねて助言をもらっている。そんな沖田さんが参加したのが、16歳の目に地球の危機を映し出す映画の試写会だった。

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