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サングラスを着用した運転士のイメージ=JR東日本提供

 全国の鉄道各社で、運転士にサングラス(保護メガネ)の着用を認める動きが広がっている。約7千人の運転士を抱えるJR東日本は、まぶしさを軽減して安全性を高めるためとして、2月からサングラスの貸与を順次始めると発表。導入済みの鉄道会社では、「目が疲れにくい」「運転に集中できる」などと運転士の評判は上々という。

 JR東によると、昨年2月から東北新幹線や中央・総武線各駅停車などで試行を続けていた。これまでに、直射日光だけでなく、線路沿いに積もった雪の反射光のまぶしさを減らして前方の視認性を向上させたり、運転士の疲労を軽減させたりする効果が確認できたという。

 運転台には日差しよけとしてサンバイザーが備えられているが、試行の結果、新幹線と在来線の全運転士の7割以上がサングラスの着用を希望。2月以降、信号の視認に影響しない偏光レンズを用いたサングラスを貸与する。

 さらに、新宿駅や横浜駅などホームでの安全確認作業が終日必要となる17駅では駅員らの着用も認める予定だ。

 鉄道運転士のサングラス着用をめぐっては、JR西日本や東海、九州が認めているほか、大手私鉄の京急電鉄や西武鉄道も認めている。

 2023年から在来線運転士に本格導入しているJR東海によると、運転士へのアンケートで、サングラスの効果として、95%が視認性向上を、77%が疲労感軽減を実感したと回答しており好評という。担当者は「お客様からも否定的な意見は特段ない」と話している。

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