目の前にはスギがうっそうと生い茂る急峻(きゅうしゅん)な山。9人乗りのモノレールが動き出すとすぐに、体ごと後ろに引っ張られ、背中から転げ落ちそうな錯覚に襲われた。ジェットコースターの始まりにも似た感覚だ。

急勾配のスギ林を進むモノレール=2024年12月21日午前9時46分、東京都檜原村、恵原弘太郎撮影

【撮影ワンポイント】絶壁モノレール

 垂直に伸びるスギ林とモノレールの線路をシンクロさせるようにして、急勾配を表現した。望遠レンズの圧縮効果を利用して木々を密に。絞りを開放にし、ゴンドラに目が行くようにした。現場は山深く、斜面は昼過ぎには日陰に。ゴンドラを待つ間、ガサゴソと音のする方へ目を向けると、サルの群れが移動していた。(惠原弘太郎)

  • 【特集】いいね!探訪記

 檜原(ひのはら)村は、東京都の西端にある島嶼(とうしょ)部以外で唯一の村。都心と50キロ以上離れ、鉄道駅もない。東京とは名ばかりの山深い風景の中、野生ザルもちらほらと姿を見せる標高五百数十メートルの集落のそばにモノレール乗り場はあった。ここから15分弱かけ、約200メートル上の尾根に立つ国指定重要文化財の「天空の古民家」、小林家住宅へと観光客を誘う。

エコツアー参加者も興奮「振り返るのが怖い」

急勾配を上るモノレール=2024年12月21日午前10時45分、東京都檜原村、恵原弘太郎撮影

 レールの全長は384メート…

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