サハリンとロシアの大陸部を隔てる間宮海峡(タタール海峡)をめぐって今月初め、興味深い動きがあった。3日にサハリン州のリマレンコ知事とオンライン会談をしたプーチン大統領が、間宮海峡にかける橋の建設に意欲を示したというのだ。
海峡の最狭部の幅は7・3キロで、深さも最浅部で数メートルしかない。すでに19世紀末の帝政ロシアで、堤防をつくる計画が提案された。ソ連時代の1920年代末にも橋またはトンネルの建設が調査されたが、地域での地震の危険性などから破棄された。
戦後の50年になり、独裁者スターリンのもとで鉄道用の地下トンネルの建設が実行に移された。しかし、53年の独裁者の死を受け、「国民経済にとって喫緊の必要性がない」との理由から工事はうち切られた。その後、73年に海峡を結ぶ鉄道車両も搭載するフェリーが就航、両岸の物流を担ってきた。
ところが、2000年にプー…