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コンゴ民主共和国東部ゴマで2025年1月22日、反政府武装組織「3月23日運動(M23)」の攻撃から逃れるためボートで避難する人たち=AP
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 アフリカ中部のコンゴ民主共和国東部で26日、隣国ルワンダ政府の関与が指摘される反政府武装組織「3月23日運動(M23)」が主要都市ゴマを制圧したと発表した。ロイター通信が伝えた。AFP通信によると、両国は26日、互いの首都から外交官の引き揚げを決定するなど国交断絶状態に陥り、危機が拡大している。

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 M23の攻勢を受けて、国連安全保障理事会は26日に緊急会合を開いた。コンゴのカイクワンバ外相は「外交的な駆け引きのない宣戦布告だ」と非難したうえで「ルワンダは白昼堂々、大虐殺を画策している」と訴えた。

 コンゴ東部に平和維持部隊の要員を派遣する南アフリカ軍などによると、25日までに要員13人が戦闘で死亡した。国連安保理の緊急会合で、現地の平和維持部隊トップは「我々は窮地に陥っている」と述べた。安保理は会合後の声明で、M23の攻撃を非難し、撤退するよう求めた。

 国連や欧米諸国は、コンゴ東部と国境を接するルワンダ政府のM23への関与を指摘している。コンゴ東部は世界的な鉱物資源の生産地で、コンゴ政府はルワンダ政府がM23を通して鉱物を奪っていると繰り返し批判している。ルワンダ政府は、これを否定している。

 国連によると、コンゴ東部ゴマは人口約200万人の大都市だ。今年に入りM23が攻勢を強め、コンゴ軍や国連平和維持部隊との衝突が激化。今年だけで約40万人の住民が避難を強いられているという。英BBCは26日、M23の攻撃で、200人以上の民間人が死亡したと伝えた。

 昨年12月には、アンゴラの仲介でコンゴとルワンダ両国の大統領の会合が予定されていたが、直前で中止となった。AFP通信によると、アンゴラのロウレンソ大統領は25日、「M23の無責任な行動」が「地域の安全保障に悪影響を及ぼす」と非難した。

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