ロシアのカザンで2024年10月23日、首脳会談を行う中国の習近平国家主席(右手前)とインドのモディ首相(左手前)ら。新興国グループ「BRICS」の首脳会議に合わせて会談した=インド政府提供

 中国の習近平(シーチンピン)国家主席とインドのモディ首相は23日、ロシア・カザンで会談した。両国関係は2020年6月の国境での衝突を機に冷え込んでおり、公式の会談は約5年ぶり。西側とも良好な関係を保つインドが今後、対中関係をどのように進めるかが注目される。

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 両者の会談は、新興国でつくる「BRICS」の首脳会議に合わせて実施された。

 中国側によると、習氏は「意思疎通と協力を強化すべきだ」と関係改善に向けた対話姿勢を強調した。互いをグローバルサウス(新興・途上国)の「重要なメンバー」だとし、「発展途上国が団結して強くなる範を示すべきだ」と述べた。

 一方、モディ氏は「両国の関係は世界の平和や安定などにとって非常に重要だ」と強調。国境地帯の平和の維持が最優先事項であるとし、「相互の信頼と尊重、配慮が両国関係の基盤であるべきだ」と訴えた。

 インド北部ラダック地方の国境地帯で20年に起きた両軍の衝突では、45年ぶりに死者が出た。インド側は少なくとも20人が死亡し、中国側も死傷者が出たとされる。

 それまで習氏とモディ氏は国際会議などに合わせて年に複数回の会談をして経済分野での協力を強化していく方針を確認していたが、衝突を機に関係が悪化した。会談は19年11月が最後で、昨年8月に立ち話をしたのみだった。

透ける両者の思惑

 モディ政権は14年に発足し…

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