JR奈良駅から国宝の五重塔(現在は修理工事中)が立つ興福寺に向かって真っすぐ延びているのが三条通。高速の餅つきで有名な和菓子店やおしゃれなカフェ、ホテルなどが軒を連ねる観光地ムード満点なこの通りで、ゲームセンター「CUE奈良三条店」は異空間への扉を開いている。
といっても、通りから見えるのは白を基調とした明るい店内。1、2階にはクレーンゲームやカプセルトイが整然と配置されている。国内外の観光客らがつかんだ景品の行方に一喜一憂し、お土産にもぴったりなカプセルトイをガチャガチャと回す。むしろ観光地の風景にマッチしている。
【撮影ワンポイント】CUE奈良三条店
取材したゲームセンターは、フロアごとに照明が変わり、客層も外国人観光客、若い女性、中年男性と様々。メインの古いゲーム機器が並ぶ3、4階は昭和の「電脳感」があって、ゲームの世界に没入できる魅力的な空間だった。そんな雰囲気を伝えるため、ストロボの光はなるべく弱めにして撮影した。(伊藤進之介)
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ところが3階に上がると様相は一変する。フロアは薄暗い。ずらりと並ぶレトロなアーケードゲームの筐体(きょうたい)の画面が主な明かりだ。
運営するCUE(大阪市)の藤本裕貴・管理部長によれば筐体は約70台、ソフトの入れ替えを含め1970年代以降の100以上のゲームタイトルをそろえている。ダライアス、グラディウス、ドルアーガの塔、ストリートファイターⅡ、アーケード版のスーパーマリオブラザーズ……。往年の名作を挙げるときりがない。東京・秋葉原や大阪・日本橋のような愛好家の集う街以外で、これほどのレトロゲームを展開しているのは珍しいという。
2004年にオープンした同…