マイクを手に新年の喜びを歌うチカン・ワッカスさん(中央)=さいたま市、桜井泉撮影

 クルド民族が新年を祝う春祭り「ネウロズ」が、さいたま市で今年も盛大に行われました。故郷を離れた人々が、伝統の祭りに寄せる思いとは。日本クルド文化協会代表理事のチカン・ワッカスさんに聞きました。

リレーおぴにおん 「集まれば」

 クルド民族の新年のお祭り「ネウロズ」は、トルコ出身の私が、クルド人であることを一番感じるときです。今年は3月20日、さいたま市の公園に千人近くが集まりました。香港や大阪から来た仲間もいました。

 私たちは独自の言葉と文化を持ちますが、自分の国がなく、トルコ、イラク、シリア、イランなどに分かれて住んでいます。少数派として抑圧され、多くの人が安全な地を求めて故郷を離れました。

 埼玉県南部の川口市や蕨市などには、約3千人のクルド人が暮らしていると言われます。多くがトルコ出身で、迫害されたとして日本政府に難民申請しても、認められることはほとんどありません。在留資格がないので「仮放免」という形で生活する人も多く、仕事にもつけず、いつ送還されるか、不安におびえながら暮らしています。

今年は危ぶまれた開催

 実は今年のネウロズは、開催…

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