ピンチでマウンドに集まる岩見沢緑陵の続橋俊哉投手⑪ら=2024年6月29日、岩見沢市営、佐々木洋輔撮影
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 (29日、第106回全国高校野球選手権北北海道大会空知地区Aブロック代表決定戦 クラーク国際1―0岩見沢緑陵)

 岩見沢緑陵の2年生右腕、続橋俊哉投手が、昨夏の代表校、クラーク国際を苦しめた。

 クラーク国際の山田陽紫主将(3年)が「打球は悪くなかったが、つかまえきれなかった。相手の投球術にはまった」と振り返った通り、細身の背番号11は力任せに三振は狙わず、相手の打ち気を利用して、打たせてとる投球を貫いた。

 続橋投手は野手兼務だったが、春季大会後に投手に専念。抽選会でクラーク国際と同じブロックに入ると、高橋真次監督から「この日だけを考えて準備してくれ」と先発を言い渡されていた。

 1人、別メニューで練習。黙々と走り込みを続けて完投できる体力を付けてきた。相手校に「名前負け」しないよう、強豪校と練習試合を組んだという。

 ひょうひょうとした表情で、粘って粘って試合をつくった。計123球を投げきり、被安打8の1失点。高橋監督は「きょうにピークをもってくる調整をしてくれた。ナイスピッチングだった」と評価した。

 野手も無失策でもり立てた。捕手の奥山幸太主将(3年)は「大量失点したら試合が終わるぞ」と鼓舞。野手は強い打球に正面から食らいついた。

 試合後、続橋投手はマウンドの冷静さからは一転して「勝ちきれなかった。たくさん応援をもらったのに申し訳ない」と悔し涙。奥山主将は「クラーク相手に無失策の投手戦は成果。来夏は地区代表を勝ち取れるよ」と後輩を励ました。(佐々木洋輔)

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