キオクシア北上工場の新棟=2024年11月5日、岩手県北上市、田中奏子撮影

 半導体メモリー大手のキオクシアホールディングス(HD)は5日、岩手県北上市の北上工場に新たに増設した製造棟を報道陣に公開した。AI(人工知能)向けなど最先端のメモリーをつくる。株式上場の時期を模索する中、成長につなげられるかが注目される。

 公開された北上工場の第2製造棟は、7月に建屋が完成。2025年秋から稼働させる予定だ。当初は23年中の稼働開始を目指していたが、メモリーの市況悪化のため建設を遅らせていた。

 第2製造棟では、急成長しているAI向けをにらみ、従来品より容量が大きく、消費電力が少ない最先端品を生産する。国からの補助金を含め、1兆円規模を投じる。渡辺友治副社長は「生産効率を高め、コスト競争力は世界1位にする」と語った。

北上工場の新棟について説明するキオクシアホールディングスの渡辺友治副社長(左)=2024年11月5日、岩手県北上市、田中奏子撮影

 メモリー市場は韓国サムスン電子、同SKハイニックスなど大手5社が激しく競う。競争力を保つには巨額の設備投資を必要とする。規模拡大のためキオクシアHDは昨秋、同業の米大手ウエスタンデジタルとの事業統合を模索したが、キオクシアHDに間接出資するSKの反対などで白紙となった。

 そこで資金面の課題を解決す…

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