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イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで2024年9月4日、がれきの上に座るパレスチナの子どもたち=ロイター

 国連貿易開発会議(UNCTAD)は12日、昨年10月に始まったイスラム組織ハマスとイスラエルの戦闘によるパレスチナ自治区の経済への影響についての報告書を公表した。昨年第4四半期(10~12月)のガザ地区の域内総生産は、軍事衝突が起こる直前の同第3四半期(7~9月)と比べて81%減少。「ガザの経済は壊滅的な状態にある」と結論づけた。

 報告書はパレスチナ自治政府(PA)の機関などが発表した2024年半ばまでのデータを元に作成された。ガザでは昨年10月の戦闘開始から2024年初めまでに企業の82%が損壊を受けたか、完全に破壊されたという。また、灌漑(かんがい)設備など農業資産の80~96%が破壊され、食料生産能力がまひしたとしている。

 今年第1四半期(1~3月)時点のガザの域内総生産は、22年の水準の6分の1以下まで縮小した。UNCTADは「(今回の影響は)ハマスとイスラエルの過去の軍事衝突をはるかに上回る」と危機感を示した。

 UNCTADはヨルダン川西…

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