2013年の「ヴォイツェク」公演から(古賀竜太郎氏撮影)=態変提供

 身体障碍(がい)者の身体表現芸術集団「態変」が、19世紀のドイツの戯曲「ヴォイツェク」の公演に挑む。主宰する金滿里(キムマンリ)さんが上演を決めた背景には、パレスチナ自治区ガザでやまない民衆の犠牲があった。

 態変は1983年に大阪で旗揚げ。脳性まひや手足がないなど障碍のあるパフォーマーが、体形があらわになるユニタード姿で体をねじらせたり、揺らしたりしながら表情やまなざしを交えて「虐げられるものの心理」(金さん)を表現してきた。

 40周年記念公演を控えた昨年10月7日、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルを急襲し、ガザ地区での戦闘が始まった。月末の記念公演を終えてもイスラエルの攻撃はやまず、妊婦を含む大勢の女性や子どもが犠牲になった。

 こうした状況を知り、金さん…

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