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2024年11月12日、米ニューヨークの国連本部でパレスチナ自治区ガザ北部の人道支援状況に関する緊急会合が開かれた。演説中、モニターに映し出される国連食糧農業機関(FAO)のポールセン緊急支援・レジリエンス部長=国連提供

 パレスチナ自治区ガザ北部で、イスラエルによる攻撃の激化により人道危機が深刻化している状況を受け、国連安全保障理事会は12日、緊急会合を開いた。イスラエル軍の妨害で救援物資が届けられず、「(飢餓より深刻な状況になる)飢饉(ききん)が差し迫っている可能性が高い」と報告された。イスラエルは「ガザに飢餓はない」と否定している。

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 先月も安保理に状況を伝えたムスヤ国連事務次長補(人道問題担当)は、状況に改善はみられないと述べ、「イスラエル当局は、戦闘が続くガザ北部への人道支援の立ち入りを妨害している」と批判した。国連食糧農業機関(FAO)のポールセン緊急支援・レジリエンス部長は、専門家による調査で「ガザ北部で飢饉が起きているか、または差し迫っている可能性が高い」と認識されている状況を共有した。

 英国やロシアなどはイスラエ…

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