顧客から著しい迷惑行為を受けるカスタマーハラスメント(カスハラ)について、厚生労働省は17日、過去3年間で従業員から相談を受けた企業が約28%に上ったとする調査結果を明らかにした。深刻な実態が浮き彫りになり、従業員を守る対策を企業に義務づける法改正を検討している政府の議論にも影響を与えそうだ。
- カスハラ対策、従業員の保護を企業に義務化へ 厚労省が法改正を検討
厚労省は民間企業に委託し、昨年12月~今年1月に「職場のハラスメントに関する実態調査」を実施。従業員30人以上の2万5千の企業・団体に依頼し、7780社から有効回答を得た。
カスハラをめぐる従業員からの相談は、パワハラ(64%)、セクハラ(40%)に次いで3番目に多かった。相談件数の増減でみると、ハラスメント項目の中でカスハラは唯一、増加していると回答した企業・団体の数が、減少と答えた企業・団体を上回った。業種別でみると、「医療、福祉」が54%、「宿泊業、飲食サービス業」が46%で、「不動産業、物品賃貸業」「卸売業、小売業」「金融業、保険業」も4割台となり、消費者や顧客との接触頻度が高い仕事が目立った。
最多は「継続的な、執拗な言動」
従業員からの相談を企業が実…