2024年12月18日、日本の宇宙ベンチャー「スペースワン」が開発する小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げを、固唾(かたず)を飲んで見守っている高校生がいた。東京・港区の広尾学園高校の生徒たちだ。

小型ロケット「カイロス」2号機の打ち上げを見つめる、広尾学園高校の生徒たちと高野宗之さん(左)=2024年12月18日、和歌山県串本町、ラグラポ撮影

1年かけて開発した「ISHIKI」

 和歌山県串本町のスペースポート紀伊から打ち上げられたロケットは、燃焼ガスが出るノズルに異常が発生。最高高度110・7キロに達したが、飛行中断措置がとられ、民間ロケットとして日本初となる人工衛星の投入は果たせなかった。

打ち上げられた小型ロケット「カイロス」2号機。人工衛星「ISHIKI」が搭載されていた=2024年12月18日午前11時、和歌山県串本町、朝日新聞社ヘリから、林敏行撮影

 ロケットに搭載されていた5基の人工衛星のひとつで、「ISHIKI(イシキ)」と名付けた衛星を製作したのが広尾学園の生徒たちだった。卒業生2人と在校生6人が、宇宙開発の技術支援などをする新興企業「LAGRAPO(ラグラポ)」(中央区)とともに約1年かけて開発した。

 衛星で何をするのか、議論を…

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