妻が集めた、いまも使い道のよくわからないグッズたち

それぞれの最終楽章 また会う日まで!(5)

朝日新聞編集委員 中村俊介

 新年を迎えられるかどうか、との予想に反し、妻は今年3月18日まで生きた。ベッドに横たわって死を待つだけの時間を、彼女はどう感じていたのだろう。

 「なかなか死ねない。なんで生きてるのかなあ」。言葉に詰まった僕は、答えをずっと探した。

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 仕事がら家を空けることも多く、決して十分とは言えなかった夫婦生活。今までの空白を看護で穴埋めしたい。それが一日でも長く生きてくれている理由だ、と理屈をひねり出した。彼女のことだから、なんであんたのために私が生きなくちゃなんないのよ、なんて反撃されるかと思ったら、「うれしいよう」と笑った。

 まずは3月13日の誕生日まで頑張ろう。次は満開の桜を見よう。

 外出中、LINEが届く。「…

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