水素航空機に向けた超電導モーターの共同研究について説明するエアバスと東芝の幹部ら=2024年10月16日、東京都江東区、高橋豪撮影

 欧州の航空機大手エアバスと東芝は16日、水素を燃料に用いる「水素航空機」に関して共同研究すると発表した。東芝が開発した超電導モーターを、エアバスの燃料電池に組み込めるかを検証する。航空業界は、2050年のカーボンニュートラルを目標としており、実現に向けた切り札になるかが注目される。

 この日都内で開幕した「国際航空宇宙展」の会場で両社が発表した。超電導モーターは極低温まで冷やすと電気抵抗がゼロとなるため、低い電圧で大きな電流を流すことができる。水素航空機の燃料に用いる液体水素の温度はマイナス253度のため、超電導モーターを動かす環境が整う。従来のモーターを使うのに比べ、軽くて燃費の良い最先端の機体をつくれるという。

 東芝は半世紀以上にわたり超電導技術を研究し、がん治療や半導体製造に活用してきた。22年には乗り物に使えるような小型、軽量で高出力ができる超電導モーターの開発に成功した。適用先を模索していたところ、今年、日本企業との連携を目的とした拠点を東京に立ち上げると発表したエアバスから声がかかった。

 エアバスは、水素を燃料電池…

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